夜中0時から始まるシリーズ、以前視たものは「生活の為にボクサーを目指す子供たち」のような内容だったと思う。
貧困のため離れ離れで暮らす、まだ小学低学年の彼は、引き取り先で仕事の手伝いをしながらボクシングを身につける。
その後、初めてファイトマネーが貰え、里帰りが叶う。自分の欲しいものには一銭も使わず、母親にすべてを渡す。
収録中に彼は殆んど喋らない。だが、母親に会えた時の表情は、言葉以上に美しく真実の嬉しさそのものだった。
言葉にしない幼い彼が、本当は何を言葉にしたかったのか・・・・胸が締め付けられたのを記憶している。
昨夜は、歩行にも支障をきたしている38歳の母親が、離婚して二人の子供を育てている、日本にも在りがちな話。
だが彼女は違った、癌を患い抗ガン治療を受けながら必死で生きようとしていた。
生活の為、露店で小さな饅頭を焼く。その間二人の子供は、泊がけの保育所に預けられ、一緒に寝起きできる時間は少ない。
収録中の食事の時、母親が泣き始める。それを見た長女6歳は、お母さん泣かないでと言いながら箸を止める。
そのうち弟4歳の彼も、箸をすすめながら泣いていた。
治療が1年を過ぎ、子供たちの学芸発表会。もう長く生きられないのを悟った母親が、抜け落ちていく短い髪に、
パーマをあて、おめかしして会場に・・・弟君の発表の番、母親の姿を見つけた彼は、嬉しさと心にこみ上げる思いとで、泣き崩れてしまい踊れなかった。
周りの父兄には、訳がわからなかった。母親は涙をこらえ、笑った表情で必死に応援するが、それでも涙が・・
つづいて長女の番、彼女は上手に踊った。
そのあと先生が、「今日は誰が見に来てくれていますか」と、尋ねた。
彼女は 「おかあさん」と、答える。
先生、「おかあさんに伝えたい事は何かな」と、
彼女、「私たちを育ててくれて、ありがとう」と、
誰が想像しただろう、この幼い子供が、このような晴れの場でこんな言葉を口にすることを・・・・
毎日を真剣に生き、人と違う環境に耐え、年齢以上の人格を身につける・・・・
おかあさんは夏に永眠されるのですが、二人の子供を立派な人としての人格に育てられました。
誰かが言った言葉で、戦後の日本人を一言で表すのなら 「軽薄」そのものと・・・
人格は育てるもの・・・心は磨くもの・・・ 必要なのは苦労・我慢・思いやり・・・