柿の木の突然変異であらわれる「黒柿」、その表情の中で最も珍しくて美しいとされる「孔雀杢」。
孔雀羽の重なりあった表情に似て、その輪郭に羽の緑色と同じ輝きで彩られます。
中でも、雄羽の玉模様に似た表情が最も珍しい模様とされます。
黒柿の歴史としては、正倉院の宝物に多く使われているのを確認できますが、
当時の中国・朝鮮半島から伝わる名品に黒檀・紫檀が使われ、その材の代用品として黒柿を使ったのでは
ないかとの説があります。 この黒柿は、当時でも見つけるのに苦労したと思われ、その希少さから
天皇しか使えないものになっていたのではと、考えられています。
黒柿のなかでも孔雀杢は、現存する黒柿製品に見ることは非常に少なく
テレビ番組「お宝鑑定団」でも、「もしこの作品が孔雀杢であれば、評価できません。」と言われることが多いです。
橡きょうと工房は、この孔雀杢材を代々伝承される帯の中に織り込みました。
数百年先にも、この孔雀杢が愛用されていることを願って・・・。
コメント