手前上段に見える作品が、ヤクザル出品の「屋久島百年杉拓本画:龍神図・達磨図」
左奥の作品が、主催者の小林陽光さんの作品、日本古来からの和紙と書の文化を重んじ
制作されたもの。
その横に展示されているものが、屋久杉四千年木拓本に東大寺長老の森本様が書かれた書の軸。
これが直径10センチばかりの中に、百年の年輪をもつ屋久杉の枝のみで摺りだした「達磨図」。
13回の移動組み合わせで表現しました。(筆は一切使用していません)
小林陽光先生とのご縁は、9月の八王子そごうでの出会いがきっかけでした。
屋久杉土埋木を、原木保存する目的で活動している私を見つけてくださり、今回の会で
紹介するチャンスを戴きました。
1993年12月、世界自然遺産に登録と共に、屋久杉成木は伐採が禁止されました。
その傍ら、「土埋木」と呼ばれる、江戸時代に伐られた残りの切り株と、自然倒木の一部を利用し
屋久杉工芸の産業を支えてきました。
その土埋木もこの数年前より減り、屋久島の屋久杉工芸に係る方々は、ほぼ10年以内に
材料枯渇により廃業との声を聞きます。
これから築かれる屋久島の歴史のなかに、屋久杉工芸の営みが消えることは必然なのでしょうか?
その疑問から考えだした手立てが、この「屋久杉拓本」に価値を見出すことでした。
現在、屋久島高校の生徒さんが、この考えに基づいて考え始めてくれていると聞いています。
この度の記念展がきっかけで、屋久杉土埋木の原木保存に、皆さんの意識が向くことを願っています。
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