橡きょうと工房としては、 「平城遷都1300年」 を 「木の文化再認識の年」 と捉え、正倉院の宝物の中で、当時の贅の限りをつくした木材に注目しました。
中でも黒柿を使ったものが目を引き、奈良県立博物館にも問い合せ、何故この当時に「黒柿」を使ったのか?を聞いてみた。
すると断定は出来ないが、当時大陸(中国・朝鮮半島)から持ち込まれる貢物には、「黒檀・紫檀・タガヤサン」などの材が使われており、それを見習い、その代用品として国内の黒柿を使ったのでは・・・との答え
その答えを裏付けるかのように、黒柿に蘇芳染めを施した小櫃が存在する。これは、紫檀に見立てて黒柿を染めたものと思われる。
時おり工房に立ち寄られる方々に、この歴史の話と、黒柿とは、突然変異によって偶然発生し、その模様の出方で呼び名があり、その表情に最高の自然美を見出していた事を伝えるようにしています。
作品としては、正倉院の宝物の中にあるデザインをあしらって、黒柿孔雀杢織りによる帯などを展示しています。
会期は、11月10日(水)まで、左京区鹿ケ谷の工房内にて
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