8年前の春、宮之浦岳から直径2メートル近くある屋久杉が伐り出された。今後この大きさのものは出ないと言われ、すぐさま競り落とされた青野さんの元を尋ね、拓本に残す許可をもらった。和紙は福井の今立町で唯一このサイズに見合うものを漉いてもらい、拓本に採ることができた。
仕事に関連して始めたことだったが、屋久島の現状を知ると、それだけでは済まなくなった。
業者の方たちは、屋久杉の限界を知りつつも、出てくるもの手当たり次第刻んで商品化する。生活のため仕方のない事かもしれないが、何か別の手立てを講じるべきではないのかと5年前に、「屋久島の財産を減らさないで、新しい特産品を開発しましょう」と、島全体に呼びかけ2会場で話し合いの場をもったが、関係者の方の関心は皆無に近かった。
そこで集まった残りのメンバーで3ヶ月に一度の話し合いをもち、2年前の4月に屋久杉の拓本を基本に、持ち寄り作品展を開いた結果、永田地区のみなさんは海亀をモチーフに、屋久杉の廃材と古い布をつかってマスコットを作成された。その後改良を加え、昨年の4月から販売を開始し、今年はニュージーランドの友好活動の一環で海外に嫁ぐことに発展しました。
その他全島の小・中・高生に是非体験をと紹介した結果、小瀬田中のみなさんが昨年と今年体験学習をもってくれました。
来年7月の皆既日食は、あらゆる人々の心に残る出来事となるでしょう。それ以上に屋久島のみなさんは、新しい門出に相応しい日にして欲しいものです。島の中の者で島の将来を考え夢を現実にしていただきたい。屋久島はまだまだ未開発の宝の島なんですから。
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